ひとことで言うと
「全員に同じ質問を、同じ順番で、同じ言い方で訊く」インタビューのスタイルです。
定義
構造化インタビュー(structured interview)は、調査者があらかじめ設計した質問紙・面接マニュアルに従って質問を行う形式の面接です。質問の文言・順序・選択肢の出し方が固定され、調査者の裁量で変更することは原則として許されません。
この形式は、回答を量的に集計・比較することを念頭に設計されており、誰が誰に対して行っても同じ条件で同じ問いが提示されることを目指します。世論調査・国勢調査・大規模社会意識調査などで標準的な技法です。
文脈と歴史
構造化インタビューは、20世紀前半の世論調査・市場調査・社会意識調査の発展のなかで体系化されました。ギャラップの世論調査やラザースフェルドのコロンビア大学応用社会研究所による選挙調査などが、面接形式の標準化に大きな役割を果たしました。
質的研究の文脈では、構造化インタビューはしばしば「対立項」として登場します。半構造化インタビューや非構造化インタビューを論じるとき、その出発点として構造化インタビューが位置づけられ、標準化と柔軟性のトレードオフを明らかにする役割を担ってきました。
主要な論点
1. 比較可能性のメリット
全回答者が同じ条件で問いを受けるため、回答の集計・統計分析・グループ間比較が容易です。サンプルサイズが大きい量的研究では、構造化された問いが不可欠になります。
2. 「文脈の薄さ」というデメリット
対象者の固有の状況や、その言葉が出てきた背景を深掘りすることは難しく、定型的な答えしか得られない場合があります。質的研究で重視される「語り手の意味世界」にアクセスする力は限定的です。
3. 質問紙設計の重要性
構造化インタビューでは、質問紙の設計(ワーディング、選択肢の網羅性、順序効果、二重質問の回避など)の質が、得られる回答の質を決定します。質問紙設計論は、それ自体で大きな研究領域を形成しています。
TSIRの研究との関わり
TSIRのインタビュー研究は、原則として半構造化インタビューを用いていますが、背景情報(年齢・職業・家族構成・地域)の確認などには構造化された問いを併用しています。「子どもを持つ理由・持たない理由」のように、複数の語りを比較可能なかたちで蓄積する場合、半構造化と構造化を組み合わせる設計が有効です。
関連する用語
参考文献・参考資料
※ 参考文献は順次追加・整理していきます。
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