ひとことで言うと
結婚するときに、ふたりとも同じ姓にするか、それぞれの姓を続けるかを選べるようにしましょう、という制度の議論のことです。
定義
選択的夫婦別姓制度は、婚姻に際して、夫婦が同姓を選ぶか、別姓を選ぶかを当事者の合意に基づいて決められる制度を指します。日本では現時点で法制化されておらず、現行法のもとでは婚姻時に夫婦のいずれかが姓を改めることが求められます。
文脈と歴史
20世紀末以降、姓の変更に伴う実務的な不便、自己同一性の問題、女性が改姓するケースが圧倒的多数であることへのジェンダー視点からの問題提起などを背景に、選択的夫婦別姓を求める議論が広がってきました。法制化をめぐる議論は現在も続いています。
主要な論点
1. 個人と家族の関係
姓を家族の単位として一致させるべきか、それとも個人のものとして扱うべきか。家族と個人の関係をどう捉えるかが、議論の根底にあります。
2. 実務上の不便
姓の変更に伴う、職業上のキャリア、研究業績、契約・登記など、実務上の不便が広く指摘されています。通称使用の拡大では十分に対応しきれない局面があります。
3. ジェンダー平等
現行制度のもとで姓を改めるのが圧倒的に女性に偏っている現実は、ジェンダー平等の観点から論じられます。制度の中立的な見え方と、運用の偏りのあいだのずれが論点です。
4. 選択肢の保障
選択的夫婦別姓は、すべての夫婦に別姓を強いるものではなく、選択の自由を保障する制度です。多様な家族のかたちを認める動きの一部として位置づけられます。
TSIRの研究との関わり
TSIRが扱う家族・パートナーシップのテーマでは、姓のあり方も生活の重要な要素のひとつです。プロジェクト「子どもを持つ理由・持たない理由」では、結婚や家族のかたちをめぐる選択の背景に、姓に関する論点が含まれてくることがあります。
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参考文献・参考資料
※ 参考文献は順次追加・整理していきます。
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