ひとことで言うと
近代がうまく行きすぎた結果、近代の前提そのものが揺らぎ始めた時代——というイメージで、現代を描く概念です。
定義
第二の近代は、伝統からの解放と国民国家・産業社会・近代家族の確立を達成した「第一の近代」を背景に、グローバル化、個人化、技術リスク、生態系の限界、ジェンダー秩序の揺らぎなどによって、近代自身の前提が再帰的に問い直される段階を指します。
文脈と歴史
20世紀末から21世紀初頭にかけての社会理論で、ベックの「リスク社会」「個人化」、ギデンズの再帰的近代化論などと並んで論じられてきました。社会の中心的な不安や問題が、外的な敵から、近代そのものが生み出した副産物へと移ったとされます。
主要な論点
1. リスクの内在化
戦争・貧困といった外的なリスクに加えて、技術・環境・金融・気候など、近代自身が生み出すリスクが社会の中心問題になります。これらは国境を越え、計算しきれない性格を持ちます。
2. 個人化
家族、職業、地域、ジェンダー役割といった伝統的な枠組みからの離脱が進み、人生の選択と責任が個人に強く帰せられるようになります。同時に、自由と不安が表裏一体となります。
3. 制度の追いつかなさ
第一の近代に作られた福祉国家・労働制度・家族モデルが、第二の近代の現実に追いつかない、というギャップが、新しい社会的リスクとして現れます。
4. 国境の相対化
気候変動、感染症、金融危機、移動など、国家の枠組みでは対処しきれない問題が前景化します。グローバル化の社会理論との接点が大きい論点です。
TSIRの研究との関わり
TSIRが扱う「子どもを持つかどうか」「育児と仕事と創作の両立」「発達障害と社会の包摂」といったテーマは、いずれも第二の近代の論点と重なります。プロジェクト「子どもを持つ理由・持たない理由」「仕事・育児をしながら創作をする理由」は、個人化が進んだ社会で、人が自分の人生をどう編んでいるかを聞く営みとも言えます。
関連する用語
参考文献・参考資料
※ 参考文献は順次追加・整理していきます。
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