用語分類:発達・教育 監修:吉岡詩織 最終更新:2026-05-09
自閉スペクトラム症・ADHD・学習障害などを、治すべき欠陥としてではなく、人類の神経学的多様性の一部として尊重しようとする見方です。当事者運動を背景に20世紀末以降に広がった概念で、教育・労働・支援のあり方を問い直す視点として用いられています。

ひとことで言うと

「みんなの脳のはたらきはそれぞれ違うのが当たり前で、それを治すべき欠陥としてではなく、多様性として尊重しよう」という見方です。

定義

ニューロダイバーシティは、自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害、トゥレット症などの神経発達上の特性を、病理として位置づけるのではなく、人類の神経学的な多様性の一部として捉える視点を指します。社会的・文化的・政治的な含意を持つ概念で、当事者運動と密接に結びついて発展してきました。

文脈と歴史

20世紀末から21世紀初頭にかけて、当事者の発信を中心に広がった概念です。医療化された支援だけでなく、社会の側のあり方を問い直す視点として、教育・労働・福祉のさまざまな領域で参照されています。

主要な論点

1. 医学モデルとの関係

ニューロダイバーシティは、医療や支援を否定するわけではありません。診断と支援の必要性を認めながらも、その枠組みを「欠陥の治療」だけに閉じない発想を提起します。

2. スペクトラムの考え方

診断のカテゴリーは離散的に見えますが、特性は連続的に分布しています。ニューロダイバーシティは、その連続性を踏まえて多様性を捉える発想です。

3. 合理的配慮との接続

多様な特性を尊重するためには、社会の側の調整が不可欠です。学校・職場での合理的配慮や環境調整は、ニューロダイバーシティの理念を具体化する実践と位置づけられます。

4. 当事者性と支援

当事者の声を支援の中心に据えること、当事者同士のピアサポートの重要性が、ニューロダイバーシティの議論で繰り返し強調されています。

TSIRの研究との関わり

TSIRが扱う発達・支援のテーマでは、ニューロダイバーシティの視点が、医学モデル一辺倒の支援のあり方を見直す手がかりとして重要です。プロジェクト「支援現場の最前線」では、当事者と支援者がどのようにこの視点を生活の現場に翻訳しているかを聞いています。

関連する用語

参考文献・参考資料

※ 参考文献は順次追加・整理していきます。

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